【第14話】E判定は、良い判定
今日のチルった音楽は注釈からどうぞ。*1
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この物語の主人公は絹ごしトウフの『チル太』
彼の大豆畑時代は、トウフとは思えないほど華やかで、
青春ドラマをみているようなものだった。
青春を謳歌し、周りの異変に気が付き始めたのは、9月。
気付くのが、、、遅すぎた。
だから、チル太は、気づくことをやめたのだ。
これが都会の青春。なんだ。
彼は気が付いた。これが、『都会なんだ』と。
大豆高校に入るまで、彼は雪国の中でも田舎のほうで育った。
『50万ドルの夜景』で知られるその街は、
『石を投げれば親戚にあたる』と言われるほど、
住んでいる人たちの距離感が近いのだ。
雪国の中心地に引っ越し、晴れて『大豆高校』に入学した。
大豆高校1年生。トウフのチル太。
今の今まで、付き合いの友人。いや、親友になるとは思わなかった
人物と出会う。『エモ子』だ。
エモ子との出会いは、駅前のドーナツ屋。
チル太が飲めないコーヒーを飲む二人に出会った。
それが、『エモ子』と『ハチ子』だ。
ハチ子は、いわゆる美少女で、少し冷めた笑いを好んだ。
振り向いてもらうために、すべての学内行事に参加することとなった。
ー そして気が付けば1年がたった -
チル太の関心は、いつのまにかハチ子から遠のき、
エモ子から紹介され、自然と仲良くなった『みつ子』と付き合うことになった。
みつ子は、隣の大豆高校より少し学力が上の高校に通う子だ。
チル太は、みつ子に見せたいがために、意味合いは変われど、
毎年すべての学内行事に全力を注ぐことになった。
3年生。それは、どの学年よりも長くこの学校にいることだ。
大豆高校は、特進コースを設けていることからわかるように、
『自称進学校』だった。
行事もすくなく、校則もみつ子が通う高校よりかは、はるかに厳しかった。
ー 7月 学園祭 ー
- クラスでのグループダンス大会
- クラスでつくる垂れ幕
- クラスで運営する、展示・模擬店
- 有志による、バンド大会
- 学校の中庭で行われる、有志での3on3
ー 9月 球技大会 -
- クラスでの各種球技の大会
すべてのコンテンツで1位になることを目指し、1年のすべてを使っていたのだ。
終わらない学内行事に打ち込むチル太
チル太は、高校生活のすべてを2つの学内行事に集中した生活を送っていた。
結果として、3年間。
彼は、大豆高校の『頂き』を目指し努力したが、何一つとどかなかった。
そして、学内行事が終わったとき、ハッとさせられた。
(チル太)
おいら、、、ここ卒業したらどうするんだ?!
そう、彼は大学進学を軽んじすぎていたため、ほかと年齢は変わらなかったが
『先を見通す能力』に大きすぎるほどの差があったのだ。
学内行事が終われば、怒涛の模試RUSH!!
終わらない模試RUSH!!
彼が大学進学に目を向けた時。それは9月だ。
どの大学が自分にあっているか、偏差値として今からでも届くのか。
それすらも分からないチル太は、なんとなく友人が志望する大学を
これまた、なんとなく志望することになる。
変わらないE判定と、その意味を変える『良い』判定
9月の終わりから始まった彼の受験戦争は、
かれの気持ちに比例することなく、点数は伸び悩んでいた。
なぁ、エモ子。おいら、なんとなく受かると思ってるんだよなぁ。
なんでかはわからないんだけど、
受からないビジョンが見えないんだよ。
能天気な学生だ。どこの昼下がりにもいるだろう。
でもチル太、あんた『E判定』でしょ??
どういう意味かわかる??
『受からないからあきらめなさい』ってことだよ。
E判定は、査定テストの点数を基準として、それを用いた場合、
合格率20%以下を指している。
でも20%ぐらいはあるんだろ??気持ちの問題じゃないか?
E判定は、『良い』判定。ってな。
このギャグを10月以降、受験が終わるまで言い続けたが、
誰一人笑ってはくれなかった。
合格を信じていたのは、『チル太だけ』だったのだ。
*1:今日のチルった音楽はこちら!