【第16話】天を仰ぎ、単位を欲したあの日
今日のチルった音楽は注釈からどうぞ。*1
※この記事は約3分で読むことができます。
この物語の主人公は絹ごしトウフの『チル太』。
9月から始めた受験戦争を終え、追加合格で『江戸』の大学に行くことになった。
ギリギリで合格したチル太の、ギリギリ大学生生活がいま、始まるっ!
『塩』+『揚げ玉』= ポテトチップス
江戸の大学に進学したチル太。
彼の大学の最寄り駅は『渋谷駅』だ。
江戸っ子と言ってはいるものの、『江戸』なのは、言葉遣いと気概だけだ。
(チル太)
ー ここが渋谷かぁ。よく聞く『109』ってなんだ?あれかっ?!
ー 目的地はわかるんだけど、これ地下か?!あーもう!
ー 人多すぎて疲れるな。せわしない人が多くて大変だな。
彼は大学生活になれるのと同時に、『江戸』になれる必要があった。
渋谷の喧騒をきらい、桜ケ丘・奥渋谷をすきになる。
カツオブシ)
チル太ー。帰りにセンター街の奥にある店で飲んでかねぇか?
チル太も気づけば20歳になり、お酒がこんなにも飲むとは思っていなかった。
チル太はタッパもあり、お酒の許容量が多かったのも大きかった。
※たっぱとは何? Weblio辞書
チル太)
いいけど、武士はどこいく予定のはなし?
センター街の中の飲食店はなしだぜ。うっさいし、満足できた試しがないんだよ。
カツオブシは長いので、グループ内では『武士』と呼ばれていた。
しょうゆ)
それならおれ知ってるよ!奥の串カツ屋にしようぜ!渋谷とは思えないぐらい静かな場所で、値段もちょうどいいんだよな。
チル太は大学に入ってから沖縄サークルに入ったが、3か月でやめてしまった。
辞めたあとでも、沖縄サークルで知り合った同期と行動をともにしていた。
特にしょうゆは、グルメと流行りに敏感で、少しのアニメオタク。
渋谷のことと、サブカルニュースについては、彼に聞けば間違いなかった。
好きな単位を好きなぶんだけ!単位のリボ払いをしてるんだ
大学3年春。チル太は必要な単位数をざる勘定していた。
チル太)
やっぱり音楽とパソコンの授業が最高にたのしいなぁ!!
これだけ受けて大学卒業できるってんだから、大学ってちょろいなぁ!
ー 時は遡り、大学1年生 春 ー
学部長)
まずは、大学入学おめでとう。晴れて大豆大学の生徒となったわけだが、大学生活は、入って終わりではない。
君たちの本分は『勉強すること』だ。
計画的に必要な単位をとり、社会の波に少しあたってください。
社会勉強のために、バイトをするのもいいでしょう。
のめり込まないように。
ガイダンスと称した説明会は、学部長の挨拶が終わった後、配った資料に
目を通すことだけ学生たちに指示をして終了した。
ー 時はもどり -
財布をなくしたときは、たこ焼きでなぐさめてもらいねなっ。
ハンバーグ)
よぉ!久しぶりー!チル太最近何してた??
大学3年生。チル太は成人祝いでもらった財布を無くし途方に暮れていた。
元気をもらうために、ワンピースキャラのような体つきの学部の友人である
『ハンバーグ』の家にきていた。
チル太)
バーグくん久しぶり!
財布なくしちゃったんだよ、、、たこ焼きでなぐさめてくれよ、、
なぜ、たこ焼きなんだろう。
なんでも丸く収めようとしたいんだろう。
バーグくん)
おいおい。やってんなぁー!笑
ほんとは湯豆腐でなぐさめてやりたいけど、仕方ない。
たこ買っていくぞ!
その後、太いタコ足1本がなくなるまでたこ焼きを焼いて、食らった。
バーグくん)
ところで、チル太は単位大丈夫そうか??
今週末までには決めなきゃダメじゃん。
バーグくんは大学進学に一度失敗し、1年浪人をしていた。
人柄もそうだが、どんなことでも建設的に考えられる男だ。
大学3年生は、取得可能になる授業が多く、より専門的な授業を
積極的に取っていかないといけない学年だ。
チル太)
バーグくん、みてくれよ!
こんな感じでエクストリームに卒業する気だぜ!
バーグくんは、ショックを通り越して、座っていた椅子から転げ落ちた。
単位に必要なのは、かしこさじゃない。『情報』だっ!
チル太の学力は決してよくない。だが、人間としては少し利口なほうだ。
バーグくんに見せた履修表を手元に、チル太の正面に立ち話した。
バーグくん)
チル太。卒業する気あるのか!?
お前は何学部なんだよ。『学部生としての本分』を忘れかけてるぞっ!
チル太はふと、ガイダンスのときの話しを思い出した。
バーグくん)
『64』とらなきゃいけない必須単位のうち『8』ってなんだよ!
この『PC応用』とか、『音楽の歴史から見る社会構造』とかいるか?
法学部の授業を履修しなきゃ、『法学部』として卒業できないぞ!
一瞬でフリーズドライになったチル太。
バーグくん)
たしかに大学で単位を取るということに、勉強することは必須でしなきゃいけないことだ。
だがそれは、『頭が良いこと』とイコールじゃあない!
『バーグくんの言っていることだから、、、』と受け止めようと努力した。
いいか、単位は情報戦だ!!
すべての始まりに、また立ったんだ
大学4年、秋。
そこには、前期を終えすべての闘いに備えた男の顔があった。
男の名は『チル太』。
大学3年の前期に単位行政所である『バーグくん』に
指摘・指示・ありがたいお言葉をもらい、改心したおとこだ。
そして彼は新たな戦争に繰り出した。
ふと4年前の秋を思い返した。
(チル太)
また、立っちまったよ、崖っぷちに。
渋谷に4年通っても、服装はださかった。
彼が秋空をみて放った言葉のダサさは『一人前』になっていた。
受験でもぎりぎりであれば、出るときもぎりぎりなのは、
誰がどう考えてもわかりやすいストーリーだ。
ここでは勝てない! 狙うは『再試』。ただそれだけだっ!
チル太は専門単位ばかり集中して取っていたが、
いままでの『能力値の足りなさ』から
シーズンで取れる単位に限界を感じていた。
そして、彼が4年後期テスト1週間前に下した決断は、
3講義中の難しい講義(単位)に集中して単位を取得し、
捨てた2講義中の1つを再試で受けるという作戦だ。
卒業しなければいけない4年生の救済措置として、
『再試』が設けられており、それを活用する選択肢しか選べなかったのだ。
そしてかれは、伝説の『さすらい』になった
チル太は、朝9時に起きて作曲活動をし、12時にお昼休憩する。
18時には作曲を切り上げて、その日つくった曲のラフをiPhoneにいれ散歩する。
彼は、自称『自警団』として作曲活動し、地域の安全を守る『さすらい』になった。
大学4年の大博打は、みごと成功した。が。
就職することを途中でやめることとなった。
どこまでも崖っぷちなら、
もう一回そこに立つのがあってんのな、おいらにゃ
*1:今日のチルった音楽はこちら!