チルったトウフです!

チルばっかりの日常がいい!

【第18話】見えないという才能

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ー 第18話 -

今日のチルった音楽は注釈からどうぞ。*1
※この記事は約3分で読むことができます。

この物語の主人公は絹ごしトウフ『チル太』

彼は江戸から川を渡った街に住んでいる。気持ちは間違いなく江戸っ子だ。

駅前のとあるメガネ屋を通り過ぎる瞬間、そこで止まった。

今見えている数字はなんですか?

チル太)

はちじゅう。。。2? 9?? 5か?

見えていないことは、気づくのに時間がかかる

チル太は立ち止まってじーっっとそのポスターをみた。

チル太)

これ、、、なにがいいたいんだ??わかるか?めんつゆ

めんつゆとは、チル太の大学時代の後輩だ。

めんつゆ)

いやぁー。。わかんないっすね。じぶん。

ちなみに何に見えてますか?チル太さん

どこにでもある質疑応答のスタイルだ。変ではない。

チル太)

二桁なのは、間違いなさそうなんだけど、、、

おいらわかんねぇな。

ポスターを見つめていた二人から、顔を見合わせる体制に変わった。

めんつゆ)

まじっすか!?これ、どこからどうみても『52』ですよ!

ポスターには、こう書かれていた。

これは色覚特性の検査です。

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強がるレア発言 in 焼肉屋

今日はめんつゆと焼肉屋で晩飯をする予定だ。

なんでも『もみのりちゃん』と同棲するための相談をしたいらしい。

めんつゆ)

きいてくださいよ!チル太さん!

えらい前のめりな後輩だ。

めんつゆは、『いかにも』な体育会系部活の後輩代表だ。

大学2年の頃から片思いをしていた『もみのりちゃん』。

猛アタックの末、付き合ったのだ。だいぶ月日が経つ。

『そろそろ同棲したい』ってのもよくわかる話だ。すればいい。

チル太)

呼び出さなくても答えは明確だろ。同棲しろよな。

『まだ何も言ってない』って顔をしているめんつゆ。

めんつゆ)

いやぁそうなんですけど、、、色々大変なんですよ。

彼は少しばかり学習能力が低い。

だが、持ち前の明るさと底なしのおバカキャラとして、

イイやつ代表も兼任している。

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めんつゆ)

きたきた!!ハラミからにしますか?カルビからにしますか??

夏の暑さからか、ひたすら肉々しい食べ物を欲していた。

チル太)

ハラミからにしようぜ!おいらも焼くから、『SUKIKATTE』たべようぜ!!

カウンタータイプの焼肉屋だ。

向かい合わないぐらいが『相談ごと』にはちょうどいい。

チル太)

さきいただくなっ。いただきまーーぁあs

めんつゆ)

チル太さん!それまだ赤いっす!!

本人は気づいていない。

チル太)

あ?これ焼けてるだろうが。これくらいが肉ってのうまいんだよ。

たしかに最近じゃぁ、レアな焼き具合で食べる人もいるだろう。

めんつゆ)

レアっすか?!それは、失礼しやしたっ!

口に入れた瞬間、焼けていないことがわかったが、

あーいった以上、『リプレイ』して戻すことは不可能だ。

チル太)

おまえ、焼き方うまいなぁー!今日はめんつゆに焼いてもらおうかな。


『見えない』ことは、特徴であり『短所』ではない。

チル太は焼き肉屋の翌朝、もちろんだが、おなかを下した。

チル太)

もしかして、おいら、、、色がわからねぇのかもしれねぇな。

彼はエモ子の家にいた。用がないのに行くのは、

実家か、エモ子の家ぐらいだろう。

エモ子)

うーん。そうかもしれないね。てか、なんで私の家きてんのよっ!

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チル太)

色がわからないって、誰に話せばいいのかわからなかったんだよ。

いいだろ、相談は増えるもんで、減らすもんだからよ。

間違いではないのだろう。

エモ子)

眼科いくのもありだけど、色覚調整の眼鏡かけたほうが早いんじゃない??

住んでいる街には、メガネ屋が5店舗ほどあるが、

色覚調整の眼鏡を販売しているところは、ポスターの店舗だけだろう。

わからないことがわかることは、大いなる一歩だ

(ポスター)
今見えている数字はなんですか?

わからないことがより、『不安』を煽っていた。

エモ子)

わからないことが、わかることって、

大人になれば快感の一つだと思うよ

言い方を変えればそうだが、

何故そのことばをチョイスしたんだろうか。

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ー ウィーン ー

チル太はどんなことをされるのか、わからないから怖かった。

だが、検査はいたってシンプルだった。これが検査?と思えるぐらいだ。

1冊のハードカバーでできた、絵本のようなものを見せられ

ポスターと同じような数字を言い続けるのみだたった。


持たざる者の静かな才能

チル太は、新しい自分を受け入れた。 いや、

ずーっと一緒だった人格を肯定できる個性を見つけることができた。

彼はパレットが嫌いだった。

大豆畑のころ、見開きになっているパレットが特に苦手だ。

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いくつかの色を選択して、『混ぜる』スペースが用意されている。

彼は、そのスペースを『広く同じ色を準備できる場所』だと認識していた。


『才能がある』ことは、華やかで、わかりやすく目標になる。

何年か前から、ユニバーサルデザインが注目されている。

色がわからないということは、仕事ができないことに直結することもある。

そしていま、彼は胸を張れる『才能』をみつけたんだ。

チル太

色が分からない人の気持ちがわかります

『次回予告』

お盆ですね!

ネギ太にお盆休みはなさそうです。。。

早く帰省できる日がくればと願うばかり!

次回もぜってぇ、みてくれよなっ!

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*1:今日のチルった音楽はこちら!