チルったトウフです!

チルばっかりの日常がいい!

【第15話】価値を信じたのは、いつも自分だ。

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ー 第15話 -

今日のチルった音楽は注釈からどうぞ。*1
※この記事は約5分で読むことができます。

この物語の主人公は絹ごしトウフ『チル太』

チル太がちいさな『学力社会』で下された評価はE判定だったが、

逆転の発想で発したギャグ『良い判定』は誰も笑わすことができなかった。

雪虫が教えてくれた初雪から日は経ち、12月

始まったばかりの受験戦争は、佳境に近づいていたっ!

お前今年受験するのか?来年だと思ってたわ

雪国の12月は、さむい。当然だがっ。

それ以上にチル太が通う大豆高校は山のふもとにあるため、なお寒い。

学校までの長い坂は、冬になると氷の膜がはり、

ローファーじゃ登れない、ダンジョンのトラップのようだ。
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枝豆)
チル太―。最近勉強どう??

オレは受かることしか考えられなくて、寝れねぇよ!

彼は、『枝豆』。同じ普通科のクラスにいるイケイケ男子だ。

部活でもチャラい野郎どもが集まる『サッカー部』に所属し、

ゴールキーパーとして、第一線で戦いつづけたやつだ。

チル太)
それ、どこからきてる根拠なんだよ。

おいらたち、9月から勉強しはじめて苦労の壁にぶつかってないから

なおさらわからないよな。『受からない』ってことがさ

それはきっと、『趣味を初めて間もない人』の心理に近いだろう。

エモ子)
そりゃあそうでしょ!受験は1回だけだよ?

私は一応予備校にも行って勉強しているから、なおさら緊張してるよ。

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エモ子は思ったよりもちゃんとしていた。

生徒の人生って、なんでも言っていいわけじゃあないよな。

チル太は、職員室の前に立っていた。

チル太)
お味噌くんにいわなきゃなぁ。江戸の大学に行くって。

担任の『お味噌くん』は、英語を担当しており、生徒と仲がよい。

ただ、教えている英語は雑で、色々とうさんくさかったり、

先生としてあるべく姿から逸脱している、面白いひとだ。

お味噌くん)

チル太くん、どうしたんですか?ふぁーい。

彼は、なぜか『ふぁーい』という言葉を発する。

おそらく間合いを取っているんだろう。インサイドボクサーのようだ。

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チル太)

おいら、江戸の大学に行くことにしました。

行ける大学も探しました。たぶん、ここだと行けるかなって

お味噌くん)

おーっ!思い切りましたねぇ。いいんじゃないですか?江戸!

行けるかどうかは、君次第ですけど、ふぁーい。

哲学を語るようなお味噌くんから、意外にもストレートな返答がかえってきた。

黒豆先生)

それはいいんじゃないか。来年だろ?間に合うんじゃないか?

職員室の配席は、3つの島に分かれており、

お味噌くんと黒豆先生とは、別々の島だったため。3メートル以上離れている。

純粋なチル太は、カチンとしながらも答えた。

チル太)

今年です、黒豆先生。年明けすぐの2月あたまにテストがあります。

黒豆先生は、数学の先生でテニス部の顧問をしている

いわゆる体育会系の教師だ。

黒豆先生)

お前今年受験するのか?来年だと思ってたわ。

そして反射的に、お味噌くんは黒豆先生にちゃんと聞こえる声量で言った。


お味噌くん

他人の人生を、否定するなんてことが
あっちゃいけないんですよね? ふぁーい。

江戸っ子だから、日本語しかわからねぇ!起死回生の一手

チル太が志望校に選んだ大学は、私立大学。

チル太の父)

おまえ、学部に悩んでいるんだったら法学部にいけ。

生きていく上で、日本のどこにいても通用する学問だ。

チル太の父もまた、雪国大学の法学部卒。

チル太の祖父が警察官だったため、父もまた同じ道を歩んだ。

そして、チル太が選んだ私立大学の法学部は、必要科目が『3科目』だった。

チル太)

!?!?!?!?!?!?

まだ終わっちゃいねぇ。。。江戸っ子でありゃ、いまからやっても

国語は間違いなく満点だ!!!

チル太は対話スキルとテストの国語を若干はき違えはしていたが、

3科目のうち、国語に絞った勉強をすることになった。

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精魂つきた2月中旬。まだ終わらない、いや終われない!

来たるセンター試験前日!

広い男子便所で枝豆と談笑しているとこに、黒豆先生が入ってきた。

黒豆先生)

おまえら、爆発的に集中力があがる方法があるんだが、知ってるか?

枝豆が食いついた。

枝豆)

そんな伝説級ななにかが、この大豆高校にはあるんですか!?!?

そんなわけがない。こんな広い大地のちっぽけな高校に。

黒豆先生)

エナジードリンクだ。

飲んだことないやつは、倍利くぞ。

チル太が食いついてしまった。

チル太)

おいら飲んだことないっす!

テストの何分前ぐらいに飲めばいいんですか??

いままで自分たちを見ていた黒豆先生は一度視線を落とした後、顔を上げた。

黒豆先生)

30分前だ。どんなことがあってもその時間に飲め。厳守しろ。

そして、テストスタート。

冴えまくった頭は、みている問題すべて解けるぐらいの集中力を得る。

チル太と枝豆は、何度も復唱して20分の雪坂を下った。

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センター試験当日! そのドリンクはすべてを狂わせた

センター試験は雪国にある大学の中でも、有名な大学内で行われた。

2駅にまたがるほど広大な土地にあるため、コンビニも大学からは遠い。

爆裂な集中力を得たい科目は『数学』だ。

そう、チル太は文系なのに数学を選択した。理由は簡単。

チル太

計算できれば解けるだろ?

ー 昼ご飯を済ませ、数学まで30分前 -

(チル太)
結果として、半信半疑ではあるんだよなぁ。でもまぁ縁担ぎだ。

ぐびっぐびっ。

き、き、きもちわるっ!

ー 数学スタート1分前 -

(チル太)
なんだか、からだがぽっぽしてる。。。あーあつい。あたまもあつい。

ー 数学スタート -

かれは、体中が熱くなる感覚が邪魔したが、問題は解けた。

だが、頭に血がめぐりすぎて、集中力を欠き、時間を半分以上あまし、

鼓動の音を感じるだけで、精一杯だった。

数学 100点満点中 50点!

センター試験は見事に大敗した。

いよいよ志望校の試験

チル太は、決まったときにVAN HALENの『Right Now』を聴いていた。

東進の林先生が、今でしょ!で受けている周りを目にして、

ひとり『RIGHT NOW!』をし続けていた。

youtu.be

チル太はどうしても江戸に行きたかったため、2日程分試験をすることにした。

結果としてチル太は各日のテスト両方とも、点数が10点前後足りずに不合格となった。

最後のチャレンジ

実は雪国にある他の大学を受けていた。

それらももちろんE判定ではあったが、なんと合格していた。

画面上に自分の受験番号が入っていないと思いながらみていた。

ヤフーニュースの記事を見る感覚に近かった。

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合格しか想像できないと言っていたチル太。

そこにはほかにも理由があったんだ。

みつ子)

ねぇ。チル太。もしかして、江戸の大学にいったりしない、、よね??

※みつ子は、当時の彼女だ。

それは、まだ進路を決める前の頃だった。

当時、音楽の話で仲良くなった他校の友達と大学進学について語っていた。

しょうが

チル太がすきな音楽は、きっと江戸にあるんだよ!
江戸は広くて、いろんな人がいるんだ。
きっとそこで、好きな音楽ができるんだよ!

チル太は、その日、江戸に行くことを決意した。

チル太)

どうしたの、急に。  少し考えてたりするよ。

でもまぁ、いまから勉強したって入れるかどうかわからないしなぁ。

その時は気軽な心持ちだった。

みつ子)

江戸にいっちゃ嫌だよ。。。きっと受かっちゃうよ。。

みつ子は急に泣き始めた。

みつ子)

昨日の夢で、チル太が江戸の大学に受かってたの。
もしかしたらっておもってさ。。。

そんなまさか、とは思ったが、このインスピレーション

間違いはないんじゃないかと思った。

2月中旬 不合格

その後チル太は、絶望する間もなく、勉強を再開した。

3月の最終試験に向けて。

だが3月のあたまに、1通の通知が大学から送られてきた。

追加合格

こうしてチル太は、終わらない受験戦争を終わらずに終了したのだ。

受験が終わったいまもなお

まだ受験戦争に駆り出されているような気がするのだ。

次回予告

大豆畑時代に過ごした雪国から『江戸』へ!

新たな冒険の一歩を踏み出せたチル太。

大豆畑~江戸までのはなしは3部構成でお届けしています!

次もぜってぇみてくれよなっ!

youtu.be

*1:今日のチルった音楽はこちら!