チルったトウフです!

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【第22話】芦毛に魅かれたオトナたち

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ー 第22話 -

今日のチルった音楽は注釈からどうぞ。*1
※この記事は約3分で読むことができます。

この物語の主人公は絹ごしトウフ『チル太』

チル太はいま、普段いかない府中本町駅に立っている。

ふたりの友人とともに競馬をしに行こうとしているのだ。

エモ子

これって、、、なんてよむの??もけ??

競馬はデータだけじゃあないんだぜ!

友人想いのチル太。いや、おせっかいかもしれない。

チル太はエモ子に『オトコ』を紹介するといって、

大豆畑の友人を連れてきていた。

ウメ太)

ひさしぶりだね。エモ子ちゃん!

鍋屋でごはんたべた以来かな?

そう、以前3人で昔のアルバイト先で飯を食べていた。

とっかかりは作っていたのだ。

エモ子)

そうだね。てかふたりとも同じような服で笑える!!

夏のオトコといえば、『白シャツ』だ。なんてさわやかなんだろう。

夏が始まりかけていた6月。

5月のG1ラッシュが終わったぐらいだと

まだ混んでいないと踏んだチル太は、初夏を選んだのだ。

チル太)

君たち。

もちろんだけど、手ぶらってことないよなぁー!?

やけに気合の入っているチル太。

ウメ太)

いや、競馬って、その日の状態みたり、

データみて予測するんだろ?手ぶらでもいいだろ。

すぐに食いついてもよかったが、少し間をおいてゆっくり諭した。

チル太)

『初めましての相手』の調子なんかわかるか??合コンでもそうだろう。

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間髪いれずにつっこみが入った。

エモ子)

間違いない!!

いいと思ってもその人が頑張りすぎているだけの時だってあるよね。

次あったとき、微妙なパターンとかさ。

言葉は一度発すると帰ってはこない。

旧帝国大出身のウメ太は追撃した。

ウメ太)

でもレースは1回きり。合コンも1回きり。その時よかったやつが優勝だよ。

その後は『レース』ではない。

これもまた、間違いではない。

チル太)

そう!そうやって、好きな馬を見つけてみることもできる。

それが競馬の楽しみだっ!!

エラいテンションの上がりようだ。

チル太)
だからこそ、過去の彼らの情報も見るべきだろう!

早く新聞と赤ペンを準備したまえ!!

好きな馬を選べって、、、一目惚れ以外ある?

チル太は右耳に赤ペンを指し競馬新聞を開き、パドックにいた。

エモ子)

私はじめてだからどの馬がいいかわからないんだけど、、

チル太。この中だとどれがいいの??

パドックとは、レース前の馬紹介として周回するコースのことだ。

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脱糞している馬や、気性荒ぶる馬

馬も人間と同じで、大勢の人に見られたり本番の前だといつもと違うのだ。

だからパドックで様子を観察し、本番でどのような活躍をしてくれるのかの

判断材料にするのだ。

ウメ太)

あれが一番オッズ(レート)の低い、一番人気の馬だな。

おれはあれにするよ。なんてったって『一番』だからなっ!

どの馬を軸馬(中心)にするかは、人によってかなり差がある。

チル太)

どういう買い方??下手したらトリガミになるぞ。

トリガミとは、『買った』分より、『勝った』分が少なく損をすることだ。

ウメ太)

一番人気を軸(中心)に、3番人気までを組み合わせた買い方で悩んでいるんだが。。

エモ子)

すっごいがちがちだね。。『絶対勝つ』って気合がスゴイ!!笑

笑ってその場にいてくれているエモ子。

本心では引いているのかもしれない。

馬選びというのは、勝てばいいってもんじゃない。

コミュニケーションの一環なのではないか。

チル太)

めっちゃくちゃかわいいあしげがいるじゃん!!!

あれ以外ありえない! ってこのレースあしげ3頭もいるの!?!?

かれは、あしげに取りつかれた男子。

あしげの馬をみたら必ず買うと決めているのだ。
芦毛とは、白と黒の毛が混ざっているカラーで、成長していくにつれ、真っ白になる馬を指す。

エモ子)

たしかに真っ白なのも、ちょっとグレーなのもいるけどかわいいね!!

ウメ太)

でもあれ7番人気だぜ。どう考えたって着内には入れないな。

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残念じゃない。完走してくれて『ありがとう』だ。

三人が賭けたレースは、まさかの8番人気が1着。

続いたのは、4番人気馬ー12番人気馬の大荒れとなった。

エモ子)

いろんな理由をつけて馬をかけたけど、

数字以外で楽しめることがおおいんだね!

100円で遊べるゲームとするならば、1レースで遊べる内容は濃い。

  • パドック観察
  • データ分析
  • 購入馬券検討
  • レース観戦

約40分程度1パッケージとなっており、必死に朝から終わるまで賭ければ

頭がいたくなるほど、神経を注ぐ楽しいゲームなんだ。

ウメ太)

うわー。。。まじかよ。もうなんも信じられねぇ。。。

ウメ太の買った馬券は、1-3番人気(3頭)による、

ワイド3点/1点1000円

低いオッズで手堅く薄く利益を稼ぐつもりだったが、、、大敗だ。

チル太)

あしげを選んでよかったぜ!!いただきましたー!!!

なんとチル太は利益は薄かったが当たっていたのだ。

エモ子)

おーーー!!すごいー!!!あの白い馬が入ってたもんね!やったじゃん。

チル太は勝利のビールを買いに、すたすたと売店へ歩き出した。

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エモ子の言ってること参考にしたら、これだよ、

ビールをみながら新聞を読む午前11時土曜日。

なんて良い休日なんだ。

エモ子)

またパドックいこうよ!!やっぱり馬の目を見ることが大切な気がする!

エモ子は顔からみるポテンシャル採用型、新卒採用の人事のようだった。

ウメ太)

おっ。じゃあ次はエモ子ちゃんの良いと言っている馬を買ってみようかな。

データだけじゃないことはなんとなくわかったからさ。

データを信じられなくなった男は、すぐにデータを捨てるものだ。

チル太)

さっきのは荒れただけかもしれないから、

データも参考程度に使った方がいいよ。

ウメ太)

君はいいよな。昼間からビール飲めるぐらい余裕のある生活でさ。

こっちなんて、一気にいかれたんだぞ。

皮肉なのか、彼の休日の楽しみ方のひとつなのかわからないが、

次に賭ける思いは、まだありそうだ。

エモ子)

あの馬いいんじゃない?赤いお面被ってるうま!!

あらぶっていて、いかにも獰猛そうで、早く走りそう!

5番人気の馬だ。たしかにものすごいあらぶってはいる。

ウメ太)

エモ子ちゃんが言うくらいだ。おれは5番人気の馬にかけるぞ!!

レース前のコース紹介映像が流れ、スタートの合図を出す人が

コース上に登場した。

エモ子)

そろそろだね!!いやぁー緊張するー!!

わたしもビール分ぐらいは勝ちたいなぁ!!

ー 体勢完了ッ!!スタートしましたっ!! -

おおっと大幅に出遅れました5番人気○○

5番人気馬はそのあと後方からのレース運びとなり、

16頭立て13番着となった。けつから4番目でのゴールだ。

ウメ太)

あーーーさいあくだ。。エモ子ちゃんの通りにしたら外したよ。

言いがかりもいいとこだ。

エモ子)

えー!!わたし!?

このままウメ太の冗談に付き合うと酷い目にあうと察したチル太。

チル太)

自分のことも、選んだ馬のことも信じれないやつは勝てないよ。

スタートした時点で、どこにいるかわかるくらいじゃなきゃダメだな。

『次回予告』

早く大人になりたいって思う事、昔はありましたよね。

たとえばレンタルビデオ屋の会員カードがつくれないとか、

クレジットカードを持てないとか。でも大人になると

童心に帰る心を持ち続けたいと思うようになります。

次回は、Season2最終話です!ぜってぇ、みてくれよなっ!

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*1:今日のチルった音楽はこちら!